S様宅は、セミリタイアされたご主人、お勤め中の奥様、勤務時間が不規則なご子息の3人暮らし。生活パターンが異なるご家族が安心・快適に、そしてつながりを保ちながら暮らせる家が完成しました。
参考プランの2階建てから大きく変更し、3階建てにしました。アクセントとして選んだベージュのレンガ調サイディングは、より硬質な石の味わいが伝わるデザインをチョイスし、外観の凹凸に合わせて柄を貼り分けることで、安定感とメリハリが出るようにしました。
バルコニーに設けた木目調の縦格子が、明度の高いコーディネートをぐっと引き締めています。
アプローチには外壁と相性の良いベージュの石材を敷き詰め、空間的な一体感を生みだしました。入口にシンプルなインターホン付の機能門柱を設置することで、来訪者が玄関先に入らずに室内からモニターで確認でき、防犯面でも安心です。
広々とした玄関ホールの床は、標準のフローリング仕上げから大理石のような光沢のタイルに変更し、高級感を演出しました。壁面に調湿・脱臭効果のあるグレーのタイルを貼ることで、エレガントさをプラスしながら心地良い空間を創り出しています。玄関収納に設けた全身鏡でその日のコーディネートを確認することができ、外出時も晴れやかな気分です。
2Fリビングの道路面には、高さ2ｍ20cｍの細長い段窓を設けることで、室内に柔らかな自然光を取り込みました。段窓は縦滑り出し窓とFIX窓の組み合わせなので、採光、通風、デザインを同時に成立させることができます。一方、駐車場の方には引き違い窓を設けることで、プライバシーと採光を確保しています。
調理中の安全性を重視したご両親は、加熱機器を火の使わないIHに変更。炎の熱風がないためキッチンまわりが暑くならず、夏場も快適に料理を楽しむことができます。また、キッチンまわりに欠かせないゴミ箱も、通路にはみ出して邪魔にならないように、背面に設けた造り付けの食器棚に収納できるプランを選びました。余計なものを置かないことで見た目もすっきりとし、洗練されたキッチン空間となりました。
ふだんは物干しとして活躍するルーフバルコニー。家族や友人とBBQを楽しめるよう、バルコニーの床を金属製のものに変更し、シンクとコンセントを設けました。風と光に恵まれた開放的な空間は、日向ぼっこにも最適。外につながる空間があることで、心にゆとりを与えてくれます。
玄関横に計画した1Fのパウダールームは、帰宅後すぐに手を洗うことができるので衛生的。収納力にこだわり少し広めに計画したことで、洗面化粧台本体にはサイドキャビネットと天袋を追加し、足元には床下収納庫を設けました。水まわりで必要な日用品のストックをすべて収納できるため、買い物後の仕分けや家事の際に1カ所で行動を完結でき、非常に効率的です。
3Ｆのトイレには、シャワートイレ一体型便器を採用。タンクレストイレのようなシンプルさと勾配天井の組み合わせで、普段使いのコンパクトなトイレにも開放感をもたらしています。
１Fの掃き出し窓の外には、物干しの際の足場となる小さなウッドデッキをしつらえました。帰宅した際に一時的に物を置いたり、縁側のように座っておしゃべりをしたり、色々な使い方ができるので重宝しています。
