奥様と17歳、22歳のお子さまと4人家族で暮らすE様が建てたのは、4LDKの3階建て。「シンプル」をテーマに、ご主人こだわりの照明とご夫婦自慢のカウンターキッチンで、暮らしを楽しむ工夫を凝らしました。
角地を生かし、接道面ごとに違う表情をもつ、存在感のある外観。バルコニーは計画せず、突出の無い、シンプルなフォルムに仕上げました。建物のボリュームを確保するため、敷地形状に合わせて斜め壁の部分が生まれましたが、1階から3階まで2連で並ぶ細長いFIX窓を配置することで、外観のアクセントにしています。ご主人の長年の夢であるガレージを設けて、お気に入りの外観となりました。
大きな折り上げ天井が印象的なリビング。濃色のアクセントクロスと間接照明の組み合わせで、天井に奥行と広がりを生んでいます。一方の壁面と床面は白色をセレクトして、スタンド照明や差し色としてグリーンのインテリアや植物をプラスし、家族が集う優しい空間を創り出しました。
オープンなセミフラット型キッチンは、お子様と料理を楽しむため、天板の奥行を広めに設計しました。また、素材感にもこだわり、キッチン天板は高級人造大理石を、床面にはタイルをセレクト。白が多めのLDK空間が軽くなりすぎないのは、キッチンの重厚感がバランスをとっているためです。夜は奥様こだわりのペンダントライトとカップボードの吊り戸棚下に仕込んだダウンライトを点けて、大人のバー空間として過ごすことも。
ベッドルームの照明はダウンライトと間接照明で計画しました。それぞれ別回路として調光スイッチにすることで、明るさが欲しいときも、照度を絞って落ち着いた空間にしたいときも、お好みの明るさに調節することができます。また、光を直視することのない間接照明は、就寝時に天井を見上げる際も目に優しく、心地よく眠りにつくことができます。
シンプルな生活空間を実現するために、建物のボリュームは断面的にも有効活用しました。本来、デッドスペースになる小屋裏は4.6畳のグルニエ(小屋裏収納)を計画し、キャンプ道具や季節のアイテムを収納する空間として活用しています。子ども部屋にもロフトを設けて居住空間を拡充し、のびのびと過ごしています。
リビングの一角には、サニースペースを設けました。室内物干しユニットを天井にしまってリビングを広々と活用することも、ロールスクリーンを下げて生活感を隠すこともできる、可変性のある空間です。掃除機などの使用頻度の高いものを収納するスペースとしても活用しており、家事ラク動線を確保しています。
白を基調とした開放的な玄関ホール。帰宅した家族を出迎えてくれるのは新居のために用意したご夫婦お気に入りの絵画です。シューズクローゼット下の間接照明が足元を照らし、あたたかみのある空間を演出します。
壁面4面を優しいベージュ色のパネルに揃えて、ダウンライトで柔らかく照らしました。横長のミラーがバスルームを広々と感じさせてくれます。